肌も髪も露出しない女性の身なり
机 美和子(以下 M):
以前にもお書きしたように私は愚かにもモロッコについて何の下準備もなく行ってしまった…(実はどの国へ行くときも先入観を持たないために自分で感じたい為にわざとそうしています)彼には色々とムスリムの慣習について聞かされていましたが、それはあくまで男性から見たもの!では女性から見るとどうだったかというと、、、。まずは服装です。主人に服装は気を付けて!と言われても、ヨーロッパの女性は肌を隠す事なく開放的な装いをしているし、やっと辿り着いた異国の地モロッコで厚着なんてナンセンス?? お洒落は旅する女性の愉しみよ!と思ってそんな忠告を聞かなかったのですが、、、、、。
結論を先に言います。ムスリムの国では肌は隠し、その国を楽しませて頂く!という気持ちを忘れてはいけない、と思いました。
モロッコでは日本人どころか東洋人にさえ滅多に会いません。しかも比較的背の高く骨格のがっちりした私は日本人に見られないから…と安心して西洋風の肌を出した格好をしていました。ところが街に出てカフェに行くとそれはそれは異様な雰囲気で男性がずらりと並んでいて女性はいません。自分の目力が弱いせいか、ジュラバという民族衣装の男衆がジローとこちらを見ているようで怖い気持ちになります!日本人はやはり珍しいせいでしょうか? 田舎に行くと更に視線は強くなり、通りすがりの年配の女性には嫌な顔さえされます。
机 直人(以下 N):
よく考えると彼らの反応には一理あります。ムスリムの国で女性が肌はもちろん髪の毛でさえ公では隠すことが当たり前なのです。かつて日本にも《女性が身体を見せる文化》に席巻される前の時代がありました!明治以前に女性が着物を膝まで捲し上げ肩を出していたら? ちょっと格好悪いだけでなく男性に迷惑な面もあります。つまり見たくもないのに家族でない女性の肌が否応なしに目に入ってくることになります。モロッコ女性は髪の毛でさえ肌の様に隠して生活しているのに、旅行者の女性が自分の国流に膝や腕を出して街を歩いていたらムスリム男性にとっては不快でしょうね。外国人が日本にきて家の中で靴を脱ぐのと同じようにその地の人々の慣習を尊重する当たりまえのことですね。
M:
そういう視線や格好を体験することで、ムスリムの考え方を実地で学ぶ事ができました。次回からはたっぷりとしたスカーフで髪を隠して楽しみたいと思います。そぅ、でも着物やスカーフをまとっていてもムスリムの女性は身体を覆っていてもふとした時に見えるお顔は目がとっても大きく澄んでいて素敵です。女性の私でもどきどきします。それに何でもお家の中ではとても魅力的な装いをしているそうです。その内現地の同世代同性の友達を作ってお家で遊んでみたいですね。
公認ガイドは雇うべし~但し自称に注意
N:
身なりだけでなく現地の人々の慣習を知らない初訪問の場合には政府公認ガイドを雇うことをお勧めします。またフェズやマラケシュの旧市街を効率よくかつ安全に観光することも出来ます。複雑な街並みの見所を知り尽くしていますから楽しさも増しますし、何より現地の住民との不要な摩擦を回避してくれます。アラブ語かフランス語に流暢な人、何度か来たことがあり、現地の友人がいる人、旅の苦労は買ってでもしてみたいと仰る人なら別ですが。幸い公認ガイドの料金には定めがあり、市内案内の場合1日300~400DH程度です。旧市内観光の場合、大抵ガイドさんにお店に連れて行かれる事になりますが高価な物について後でガイドがキック・バックを貰うこともあるようです。これも安心料と考えるべきかも知れません。 一方法外な要求をしてくる自称ガイドも地域によっては後を絶たないようですが公認ガイドの免許提示を求めれば見分けられます。
こまめに洗う習慣
M:
身なり以外にも来てみて初めて知る習慣が他にもありました。かねてから知り合いの公認ガイドさんの先導で旧市街(メディナ)を取材することになりました。せっかくモロッコに来たのですし、バブーシュというスリッパ風の革靴を買いメディナを散策して満喫することにしました。日本からの靴と履き替えさっそく歩いていると、細く、土っぽい道を何とロバ君が並んで歩いています。雨上がりという事もあって道は湿っていて歩くとぺたぺたっという音がし、バブーシュもうすら汚れてきて、何だか気分が悪くなって来ました。革を染色する工場、タンネリという臭いのきつい周辺を歩いていたことも手伝って不潔っぽい気分で一杯です。そんな中でランチの時間が来ました。食べる事も撮影です。メディナの中のレストランは臭います。市場で働いている人の為のいわば日本で言えば市場内の食堂にあたるからでしょうか、仕方がありません。日本の市場でもお魚が臭かったりしますよね!それが異国の国のえたいのしれない料理、そして綺麗とは言えないお食事処...みんなグレーや茶色っぽいお洋服、女性のほとんどいない店内。
ところが!入って驚いたのは、席に着くと店員が手を大きく広げ机を囲みます。『どうしたのかしら?』と思っていると、まあるい小さな机を隈無く丁寧にごしごしと拭いてくれているではありませんか!ムスリムの人たちは清潔にしているのですね。また泊まっているホテルで朝食後部屋から広間に降りてゆくと、厨房やレストランが見え、大晦日でもやらないような大掃除をしています。厨房はともかく、レストランの机と椅子に上からお水をかけて隅々まで洗っているのです。12時のランチに向けてのお掃除でしょう!普通の日でしたから、年に1度のたまたまには思えません。ふだんから心がけているのでしょうね!モスクの前でも足を丁寧に洗っている人々を見かける事もありました。礼拝する前の準備なのでしょうね!、、、
N:
旧市街には独特の臭いや必ずしも美観でないシーンもありますが、身の回りをこまめに洗うという素晴らしい習慣もあるということが現地に行ってみて初めて判りますね。
エステ体験。。。そう!こちらも清潔です。
M:
モロッコと言えば『ハマム』という言葉を聞いた事はあるでしょうか? 私は3年前にモロッコに行った時に初めて知りました。二週間もするともぅ撮影のお付き合いに飽きてしまい『ハマム』に行こう!と思いました。とは言っても飛び込みでしかも私1人で行くのはとても不安です。数年前にフランスのブルターニュに1週間滞在してタラソテラピーを受けた時もフランス語が伝わらず苦労した事がよみがえってきます。ここはモロッコでアラビア語やベルベル語です!と思っていると泊まっているホテルにもハマムがある事が分かり体験してみる事にしました。撮影陣と分かれての単独行動は初めてだったと思います。施設がある姉妹ホテルまで専属の年配の番人さんに先導されて迷路のようなメディナの中を歩いて行きます!
心の中で『え~大丈夫かな~?』『いつになったら到着するのかしらぁ?』と土混じりの路を歩いて行きます。暫くすると、丁寧に手で看板を指して『ここですよ!』と合図をしたかと思うと番人さんは私を紹介し何処かへ行ってしまいました。『帰りはどうしたらいいの?』まぁ方向感覚には自信があるので大丈夫でしょう!と気持ちを静め内部へ通されました。
まずはエステと同じように用意された下着とバスローブに着替えサウナの様な場所に!そして横になり待っていると、やがて可愛らしいお姉さんが来て身体中を洗ってくれます!場所を移り大理石の様な熱いベッドに横たわりまたアワアワになるように洗い、垢擦りが始まります。スベスベして何度もベッドから落ちそうになるので、必死で滑らないように頑張っていました!これだけ湿気、たっぷりのお湯を使っているのに、カビ一つないどころか、ベッドを横になる前も終わっても綺麗に隅々まで洗います。これを見てすっかりモロッコという国のファン!!!になってしまいました。最後に薔薇のオイルで全身をマッサージしてもらうと、もう体中がつるつるです。あ~気持ちが良かったわ!っと思って別室に通されると、何とこれからが本格的なマッサージでした!もぅ十分満足していたのにびっくりです!こちらは普通のマッサージ・ルームで女性も西洋風の制服です。
併せて2時間余りもやってもらい、すっかり満足して最後にちょっとしたお菓子とお茶を出して頂きましたが、ナツメや何かの実の様なとても健康的なもの!その時ほっとしていた私の目に見える窓の外の風景はリゾート感たっぷりの海の景色でもなく森林浴でもなく、砂漠の様な乾いた山の景色で忘れられません。ここでも、また異文化を楽しむ事ができました。ふ~。番人さんとは一言も会話を交わしませんでしたが、きりっとしたお顔の中に優しさがありました。実はホテルで一番古い方だった様です。そんな経緯もあって最初は怖かったアラブ圏での初エステでしたがすっかりお気に入りになってしましました。
N:
次回は僕もマッサージ受けたいけれどトルコのハマムで大男のごしごしは骨が折れるほど強くて怖かったなあ、、、